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術前
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(上)術直前
(中・下)術直後 -
術後2ヵ月
【主訴】
右顔面神経麻痺(不全麻痺)に、加齢性の両側眼瞼下垂症が合併。まぶたの重み(特に右側)を主訴に、受診されました。
右顔面神経麻痺であることから、おでこにしわを寄せ、眉毛を挙げる筋肉(前頭筋)、まぶたを閉じる際に働く筋肉(眼輪筋)の働きが弱くなっています。
眉毛を挙げる力が弱まっているため、加齢性の眼瞼下垂が左側に比べ、右側に顕著にあらわれています。
【手術内容】
少なめの皮膚切除と、腱膜前転法で手術。
【注意すべき点】
・顔面神経麻痺により、まぶたを閉じる筋肉(眼輪筋)の働きが弱まっているため、まぶたを挙げる筋肉(眼瞼挙筋←動眼神経による支配)の膜(眼瞼挙筋腱膜)を前転しすぎると、まぶたが閉じられなくなってしまう。
右側は、まぶたが閉じられるであろう、ぎりぎりのところまで挙上し、左側はなるべく右側に合わせるように挙上。術後2ヵ月の時点で問題なくまぶたは閉じられており、左右差もほとんどありません。主訴であるまぶたの重みは改善されました。
眼瞼下垂症と顔面神経麻痺の両方を理解し、考慮した上で、手術を行う必要があり、形成外科専門医が得意とするところではないかと思います。
【手術費用】
保険適用で4万円〜5万円
【手術時間】
1.5時間〜2時間
【合併症】
内出血、腫れ、痛み、再発等
※整容面には最大限配慮した手術を行いますが、左右の目の大きさや二重の幅をそろえる美容の手術ではありません。